注記: 当日の講演内容の一部は、同氏が関わった著名な案件の裏話の一部を今回の講演のためにお話いただいた内容を多く含むため、本ブログにそれらの内容は割愛させていただいております。従って、本ブログではそれ以外の内容についてご紹介をしております。
9月8日火曜日、渋谷のコワーキングスペース<Connecting the Dots>の6階イベントスペース会場にて、米国シリコンバレーで起業を成功させた著名起業家や、大手VC/エンジェル投資家を日本にお招きして日本の起業家・起業家予備軍、その他米国で事業を手掛けようとされる事業会社の方々や経営者/個人を主に対象としたトーク・セッション・シリーズ<Up Close>の第2弾を、無事開催しました。
今年のゴールデンウィークに続く第2回目となる今回のゲストは、全米屈指のリーガルファームであり、シリコンバレーには1990年代半ばの最初のネットバブル黎明期(Windows 95以降、NetscapeやYahooが席巻する頃)に進出して今年で20周年の節目を迎えたOrrickの若手パートナー・Joseph Z. Perkins氏。30代半ばでシリコンバレーの起業エコシステムの中でも屈指の弁護士であるばかりでなく、多くのスタートアップの右腕として重要な経営判断等では影の立役者として著名なシリアルアントレプレナーからも慕われる大物です。そんな同氏のスタートアップ・ポートフォリオは実に豊かで、最も知られるであろうInstagramやPinterest、Getaround(カーシェアリング)をはじめ、Bleacher Report(スポーツ分野系のソーシャルメディア)、Social Finance(ソーシャルレンディング)、最近では、日本人起業家による米FOVE(バーチャルリアリティ系ハードウェア)、WHILL(パーソナル・モビリティ)まで、実に多彩です。彼は基本的には米国で活動をしているため、日本を訪れることは非常に稀ですが、今回、本イベントの開催を含むいくつかの予定をこなすために短期間日本を滞在する機会を利用する形で実現しました。
本セッションの大きなアジェンダは、日本でも話題となった、2012年のFacebookによる米Instagramの10億米ドル(日本円換算で約1,200億円)もの買収にまつわる”裏話”をはじめ、起業家とベンチャーキャピタリスト等とのあるべきコミュニケーション手法、そして、昔からよく議論をされていることであるものの今でも課題である、日本人が米国等で本格的にスタートアップを成功裏に立ち上げて行くためのあるべき基本姿勢、の3点。
まず、FacebookのInstagram買収劇についてですが、極めて繊細なお話を披露頂いたため、本人からもブログ等での掲載は控えるように事前に通達を受けている関係上、ここでは詳しくは記載出来ませんが、特筆すべきは、この買収劇のプロセスに週末をはさむわずか数日間であったという点。筆者は数多くの米国M&A案件等の話を身近に聞くため、必ずしも本案件だけの話ということではないものの、改めて、日本ではまずありえないスピード感に驚きます。特にこれほどまでに金額的に大きく、かつ、話題性が高いものがこれほどまでにスピーディに決断されるというのはやはり特筆すべきものであると実感させられました。
一方、本セミナーで非常に参考となる話が、起業家やスタートアップが投資家(主にPure-Playのベンチャーキャピタリスト)とコミュニケーションを取る際の基本的な心構えについて。筆者もベンチャーキャピタル時代に米国シリコンバレーのスタートアップに社外取締役として経営にほんの微力ながらも加担をさせて頂く機会を有難く頂戴しましたが、その時も実際に経験したことでした。それは、投資を受ける側である起業家/スタートアップがベンチャーキャピタリストの資質をストレートに問う姿勢です。つまり、担当者となる予定のベンチャーキャピタリスト(あるいは担当者が所属をするベンチャーキャピタル・ファーム)は自分達のビジネスに“お金以外の要素で”どういう貢献が出来るのか、ということを率直に問う慣習があるということです。日本の場合は、頭を下げて起業家側が投資家に出資をお願いをするという文化が未だに強く根付いてますが、それは米国、殊にシリコンバレー等においては非常に稀であるということです。
先の例では、筆者が日系VCの一員として米国スタートアップの投資に係るデューデリジェンスを行う際に、向こうから、VCファームならびに担当者である自分が具体的に何を提供できるのか、出資をすることで、日本の事業拡大に具体的に加担してもらえるのか、どういうコネクションがあるのか、一個人としてどのようなキャリアを積んできて、その結果、自らのどういうスキルをこれから投資をするであろう米スタートアップ側に取締役会等のメンバーの一人として発揮してもらえるのか、等の質問を直々に受けたことを今でも覚えています。そのような質問事項に対して、VC側が明確な答えを持ち合わせていなければ、逆に会社側から投資を拒否してくるということが決して少なくありません。
さて、Perkins氏は、起業家にとっての心構えとして具体的に次のように表現しました:
自分達が事業を立ち上げて行く中で心掛けるべき資本(=“Capital”)が大きく3つあり、それらはHuman Capital(どういう人物が働く仲間なのか)、Social Capital(社外で自分の事業について手助けをしてくれる人間を持っているか)、Financial Capital(金融資本)であるということ。
さらに:
投資家が見るのは次の3つの要素である: Market(市場: 自分達の対象とする市場の客観的なデータをどれほど持ち得ているか)、Team(すなわち“Human Capital”)、Technology(技術力:自分達の取り組むテクノロジーについてどれほど客観的なデータを持ち得ているか)の3点であるということ。ここでご注意頂きたいのは、投資家は必ずしもFinancial Capital=金融資本について細かくつべこべ調べ上げようなんて思っていはいないということ。なぜなら、そのために(スタートアップとしてお金が不足していて必要であるから)自分達(VC/投資家)とそもそも会っているのだと彼らは十分認識しているということ(だからいちいち将来の資金繰りについてツベコベ細かく調べることは全く無意味だと彼ら<=米のVC>の多くは知っている)。また、経営陣等がいかに人脈を持っているのか(=Social Capital)ということもあまり問わないと考えて良い(そもそもこうして自分達に会っているということは、それなりに外部で人脈は広げているのであろうと考えている。だからこうして自分達と縁が出来上がっているのだ、と)。
無論、必ずしも上記が絶対的に正しい解答であるということではありませんし、全てに当てはまるとは限らないものの、概ね、非常に的を射たことを改めてわかりやすく解説頂いていたと思います。さらに、Perkins氏いわく、“スタートアップに投資をする投資家というのは、そもそもお金が戻ってくると思って投資しないものだ(日本の場合はそういうわけにはいかないであろう・・・)。だから、投資を受けたものはお金の工面についてあまり必要以上に神経質にならずに思いっきりビジネスに専念すべきである(もちろん、杜撰な経営は論外です)。ましてや、毎月毎月資金繰りや資金使途についていちいち聞いてくるような投資家とは絶対付き合ってはいけない(少なくとも自分の周りにシリコンバレーのダイナミズムはそうである)”、“シード段階で出資を受ける必要性に迫られた際に、次の質問を彼らにぶつけて見なよ: ””あなたにとってこのお金は生活に必要ですか?”” と。そして答えが””Yes””なら絶対に投資を受けてはいけない!だから、年金の一部を自分達に出資をしてくれようとするおじいちゃんや親せき、友人のご両親等からは決して受けてはならない。99.9%以上の確立でどうせ返せなくならうからね”。
最後に、同氏が日本人がこれから米国(シリコンバレーのみならず、NYやその他の主要マーケット)でいわゆるスタートアップとしてVCやアクセレレータ等から出資を仰いで事業をスケールしていくビジネスを成功裏に立ち上げたいならば、主に4つのことを改めて心掛けてほしいと言及致しましたが、そのうち最も印象的であっとのは、Good vs. Perfect (=決して最初から完璧さばかりを追求しすぎる必要はない)、Beta Friendly (=シリコンバレーみたいな場所はテスト市場として非常に優れた場所である。初期的ユーザーとなってもらえる人達は沢山いるから、そういう人たちにまずは製品やサービスを無償で提供する事。そしてどんどん最初から早めにいろいろと批評してもらうことが出来るからそれを積極的に活用したい。ただし、陥りやすい罠は、あまりに多くの似通ったものが目まぐるしく出回っているからそれらの大海に流されてしまわないように自分を見失わないように心掛けること)、そして、”投資家や起業家/スタートアップを支援してくれる人たちは起業家の経験を大変重要視する。従って、それが例え6か月から12か月未満であっても良いから、自分自身がやりたい分野に関わるスタートアップで働いておくことを強くお勧めする” いう3点でした。日本では、半年~1年程度では経験値として(3年以上等)あまり認めようとしない傾向が強く思える中、向こうでは、それが半年とはいえ、何もしなくても給料がもらえるいわゆる「事業会社の社内ベンチャー」等ではなく、本当に生活のかかるような立場を経験する方がよほど投資家や周囲の人たちは重要視をするということ。また、日本人は勤勉であり、それが強みでも良さでもあると思うし、ハードウェアをはじめとする製品やホスピタリティ等のサービスにおいても極めて質と精度の高いものを創り上げるのが非常に長けていると思う一方で、シリコンバレーのような、スピードが勝負と考えられる世界では、それが逆に仇となるケースも多いということ。Only Oneなんて到底ないのであるから、自分達の追い求めるものをいかに早くユーザーに届けて、彼らの望むものに早く仕立て上げて市場を掴みとることができるか、そのスピード感が日本人にはもっと必要ではないかということ。
最後に、同氏は、この短い滞在期間中に、東京渋谷で同じく開催されていた大型イベントにも顔を出していた模様ですが、そこでは、同氏曰く、“ステージで話題をさらっているスタートアップよりも、各ブース等で地道に製品やサービスを語っている人達の中によほど面白そうなスタートアップや人達に出くわしたよ!”とコメントしていたのが印象的でした。
同氏は、元々日本との縁が深く、数年前から、日本からのスタートアップがもっと米国で活躍して米国社会に貢献してもらえることを切実に願っていたようです。最近では、昨年のシリコンバレーにおける日本のスタートアップにフォーカスをしたスタートアップイベントで見事に優勝を果たしているFoveをはじめ、今マスメディアがこぞって取り上げている話題の日本人起業家+米国スタートアップとも関わり始めております。当方としても同氏とはこれからも協力体制を敷いて行く予定です。
末筆ながら、今回、台風が押し寄せる雨天の中、多くの方々にお越し頂けましたことを、心より感謝を致しております。
9月8日火曜日、渋谷のコワーキングスペース<Connecting the Dots>の6階イベントスペース会場にて、米国シリコンバレーで起業を成功させた著名起業家や、大手VC/エンジェル投資家を日本にお招きして日本の起業家・起業家予備軍、その他米国で事業を手掛けようとされる事業会社の方々や経営者/個人を主に対象としたトーク・セッション・シリーズ<Up Close>の第2弾を、無事開催しました。
今年のゴールデンウィークに続く第2回目となる今回のゲストは、全米屈指のリーガルファームであり、シリコンバレーには1990年代半ばの最初のネットバブル黎明期(Windows 95以降、NetscapeやYahooが席巻する頃)に進出して今年で20周年の節目を迎えたOrrickの若手パートナー・Joseph Z. Perkins氏。30代半ばでシリコンバレーの起業エコシステムの中でも屈指の弁護士であるばかりでなく、多くのスタートアップの右腕として重要な経営判断等では影の立役者として著名なシリアルアントレプレナーからも慕われる大物です。そんな同氏のスタートアップ・ポートフォリオは実に豊かで、最も知られるであろうInstagramやPinterest、Getaround(カーシェアリング)をはじめ、Bleacher Report(スポーツ分野系のソーシャルメディア)、Social Finance(ソーシャルレンディング)、最近では、日本人起業家による米FOVE(バーチャルリアリティ系ハードウェア)、WHILL(パーソナル・モビリティ)まで、実に多彩です。彼は基本的には米国で活動をしているため、日本を訪れることは非常に稀ですが、今回、本イベントの開催を含むいくつかの予定をこなすために短期間日本を滞在する機会を利用する形で実現しました。
本セッションの大きなアジェンダは、日本でも話題となった、2012年のFacebookによる米Instagramの10億米ドル(日本円換算で約1,200億円)もの買収にまつわる”裏話”をはじめ、起業家とベンチャーキャピタリスト等とのあるべきコミュニケーション手法、そして、昔からよく議論をされていることであるものの今でも課題である、日本人が米国等で本格的にスタートアップを成功裏に立ち上げて行くためのあるべき基本姿勢、の3点。
まず、FacebookのInstagram買収劇についてですが、極めて繊細なお話を披露頂いたため、本人からもブログ等での掲載は控えるように事前に通達を受けている関係上、ここでは詳しくは記載出来ませんが、特筆すべきは、この買収劇のプロセスに週末をはさむわずか数日間であったという点。筆者は数多くの米国M&A案件等の話を身近に聞くため、必ずしも本案件だけの話ということではないものの、改めて、日本ではまずありえないスピード感に驚きます。特にこれほどまでに金額的に大きく、かつ、話題性が高いものがこれほどまでにスピーディに決断されるというのはやはり特筆すべきものであると実感させられました。
一方、本セミナーで非常に参考となる話が、起業家やスタートアップが投資家(主にPure-Playのベンチャーキャピタリスト)とコミュニケーションを取る際の基本的な心構えについて。筆者もベンチャーキャピタル時代に米国シリコンバレーのスタートアップに社外取締役として経営にほんの微力ながらも加担をさせて頂く機会を有難く頂戴しましたが、その時も実際に経験したことでした。それは、投資を受ける側である起業家/スタートアップがベンチャーキャピタリストの資質をストレートに問う姿勢です。つまり、担当者となる予定のベンチャーキャピタリスト(あるいは担当者が所属をするベンチャーキャピタル・ファーム)は自分達のビジネスに“お金以外の要素で”どういう貢献が出来るのか、ということを率直に問う慣習があるということです。日本の場合は、頭を下げて起業家側が投資家に出資をお願いをするという文化が未だに強く根付いてますが、それは米国、殊にシリコンバレー等においては非常に稀であるということです。
先の例では、筆者が日系VCの一員として米国スタートアップの投資に係るデューデリジェンスを行う際に、向こうから、VCファームならびに担当者である自分が具体的に何を提供できるのか、出資をすることで、日本の事業拡大に具体的に加担してもらえるのか、どういうコネクションがあるのか、一個人としてどのようなキャリアを積んできて、その結果、自らのどういうスキルをこれから投資をするであろう米スタートアップ側に取締役会等のメンバーの一人として発揮してもらえるのか、等の質問を直々に受けたことを今でも覚えています。そのような質問事項に対して、VC側が明確な答えを持ち合わせていなければ、逆に会社側から投資を拒否してくるということが決して少なくありません。
さて、Perkins氏は、起業家にとっての心構えとして具体的に次のように表現しました:
自分達が事業を立ち上げて行く中で心掛けるべき資本(=“Capital”)が大きく3つあり、それらはHuman Capital(どういう人物が働く仲間なのか)、Social Capital(社外で自分の事業について手助けをしてくれる人間を持っているか)、Financial Capital(金融資本)であるということ。
さらに:
投資家が見るのは次の3つの要素である: Market(市場: 自分達の対象とする市場の客観的なデータをどれほど持ち得ているか)、Team(すなわち“Human Capital”)、Technology(技術力:自分達の取り組むテクノロジーについてどれほど客観的なデータを持ち得ているか)の3点であるということ。ここでご注意頂きたいのは、投資家は必ずしもFinancial Capital=金融資本について細かくつべこべ調べ上げようなんて思っていはいないということ。なぜなら、そのために(スタートアップとしてお金が不足していて必要であるから)自分達(VC/投資家)とそもそも会っているのだと彼らは十分認識しているということ(だからいちいち将来の資金繰りについてツベコベ細かく調べることは全く無意味だと彼ら<=米のVC>の多くは知っている)。また、経営陣等がいかに人脈を持っているのか(=Social Capital)ということもあまり問わないと考えて良い(そもそもこうして自分達に会っているということは、それなりに外部で人脈は広げているのであろうと考えている。だからこうして自分達と縁が出来上がっているのだ、と)。
無論、必ずしも上記が絶対的に正しい解答であるということではありませんし、全てに当てはまるとは限らないものの、概ね、非常に的を射たことを改めてわかりやすく解説頂いていたと思います。さらに、Perkins氏いわく、“スタートアップに投資をする投資家というのは、そもそもお金が戻ってくると思って投資しないものだ(日本の場合はそういうわけにはいかないであろう・・・)。だから、投資を受けたものはお金の工面についてあまり必要以上に神経質にならずに思いっきりビジネスに専念すべきである(もちろん、杜撰な経営は論外です)。ましてや、毎月毎月資金繰りや資金使途についていちいち聞いてくるような投資家とは絶対付き合ってはいけない(少なくとも自分の周りにシリコンバレーのダイナミズムはそうである)”、“シード段階で出資を受ける必要性に迫られた際に、次の質問を彼らにぶつけて見なよ: ””あなたにとってこのお金は生活に必要ですか?”” と。そして答えが””Yes””なら絶対に投資を受けてはいけない!だから、年金の一部を自分達に出資をしてくれようとするおじいちゃんや親せき、友人のご両親等からは決して受けてはならない。99.9%以上の確立でどうせ返せなくならうからね”。
最後に、同氏が日本人がこれから米国(シリコンバレーのみならず、NYやその他の主要マーケット)でいわゆるスタートアップとしてVCやアクセレレータ等から出資を仰いで事業をスケールしていくビジネスを成功裏に立ち上げたいならば、主に4つのことを改めて心掛けてほしいと言及致しましたが、そのうち最も印象的であっとのは、Good vs. Perfect (=決して最初から完璧さばかりを追求しすぎる必要はない)、Beta Friendly (=シリコンバレーみたいな場所はテスト市場として非常に優れた場所である。初期的ユーザーとなってもらえる人達は沢山いるから、そういう人たちにまずは製品やサービスを無償で提供する事。そしてどんどん最初から早めにいろいろと批評してもらうことが出来るからそれを積極的に活用したい。ただし、陥りやすい罠は、あまりに多くの似通ったものが目まぐるしく出回っているからそれらの大海に流されてしまわないように自分を見失わないように心掛けること)、そして、”投資家や起業家/スタートアップを支援してくれる人たちは起業家の経験を大変重要視する。従って、それが例え6か月から12か月未満であっても良いから、自分自身がやりたい分野に関わるスタートアップで働いておくことを強くお勧めする” いう3点でした。日本では、半年~1年程度では経験値として(3年以上等)あまり認めようとしない傾向が強く思える中、向こうでは、それが半年とはいえ、何もしなくても給料がもらえるいわゆる「事業会社の社内ベンチャー」等ではなく、本当に生活のかかるような立場を経験する方がよほど投資家や周囲の人たちは重要視をするということ。また、日本人は勤勉であり、それが強みでも良さでもあると思うし、ハードウェアをはじめとする製品やホスピタリティ等のサービスにおいても極めて質と精度の高いものを創り上げるのが非常に長けていると思う一方で、シリコンバレーのような、スピードが勝負と考えられる世界では、それが逆に仇となるケースも多いということ。Only Oneなんて到底ないのであるから、自分達の追い求めるものをいかに早くユーザーに届けて、彼らの望むものに早く仕立て上げて市場を掴みとることができるか、そのスピード感が日本人にはもっと必要ではないかということ。
最後に、同氏は、この短い滞在期間中に、東京渋谷で同じく開催されていた大型イベントにも顔を出していた模様ですが、そこでは、同氏曰く、“ステージで話題をさらっているスタートアップよりも、各ブース等で地道に製品やサービスを語っている人達の中によほど面白そうなスタートアップや人達に出くわしたよ!”とコメントしていたのが印象的でした。
同氏は、元々日本との縁が深く、数年前から、日本からのスタートアップがもっと米国で活躍して米国社会に貢献してもらえることを切実に願っていたようです。最近では、昨年のシリコンバレーにおける日本のスタートアップにフォーカスをしたスタートアップイベントで見事に優勝を果たしているFoveをはじめ、今マスメディアがこぞって取り上げている話題の日本人起業家+米国スタートアップとも関わり始めております。当方としても同氏とはこれからも協力体制を敷いて行く予定です。
末筆ながら、今回、台風が押し寄せる雨天の中、多くの方々にお越し頂けましたことを、心より感謝を致しております。