出所:米Agfunder News URL: https://agfundernews.com/from-agfunder-with-love-global-agri-foodtech-funding-reaches-19-8bn-in-2019.html
2020年2月5日、米AgFunder社より、昨年2019年の全世界の農業テック、フードテック領域の市場トレンド並びに投資額の概算総括レポート(AgFunder Agri-Food Tech Investing Report 2019 Year in Review)が発表されました。恐らくまだ数字の微調整が入る可能性があり、そのうち確定値は変わるかもしれませんが、昨年はUS$19.8BN(≒2兆円超)の投資が集まった模様です。これは、前年比で投資額ベースで4.8%減、案件数ベースで15%減となりますが、過去5年間で250%の成長率を果たしています。これは、VC投資全体が、昨今の世界的に立ち込めつつある景気の暗雲により前年比で16%減少している中、堅調な数字に思えます。
主な注目点は:
2020年2月5日、米AgFunder社より、昨年2019年の全世界の農業テック、フードテック領域の市場トレンド並びに投資額の概算総括レポート(AgFunder Agri-Food Tech Investing Report 2019 Year in Review)が発表されました。恐らくまだ数字の微調整が入る可能性があり、そのうち確定値は変わるかもしれませんが、昨年はUS$19.8BN(≒2兆円超)の投資が集まった模様です。これは、前年比で投資額ベースで4.8%減、案件数ベースで15%減となりますが、過去5年間で250%の成長率を果たしています。これは、VC投資全体が、昨今の世界的に立ち込めつつある景気の暗雲により前年比で16%減少している中、堅調な数字に思えます。
主な注目点は:
- 上流領域が堅実な推移<+1.3%金額ベース・$7.6BN:アグリバイオ/農業現場に近い領域のテクノロジー/バイオマテリアル/バイオエネルギー/農業マーケットプレイス/機能性食材等>
- 下流領域は一旦踊り場<▲7.6%金額ベース・US$12BN:レストランテック/EC食料品/料理系アプリ等>
- ▲56%:フードデリバリー領域 ~競争激化+利ザヤ確保が難しい事業モデルでいよいよレッドオ―ション化が顕著化
- ▲7%:食品EC系: ~全体的に鈍化傾向。但し、中国では昨今のコロナウィルス現象で相対的に食品ECサービスが成長
- +38%:新規農業インフラ/システム ~件数ベースでは▲16%
- +17%:新機能性フード領域 ~ 代替プロテイン他がけん引するも、Beyond Meat等の一部メガ案件によるインパクトも考慮すべき。今年は代替乳製品から食品保存等の領域に広がると予想
出所:米Agfunder Newsより 「AgFunder Agrifood Tech Investing Report 2019」より、P.23 「Deal Volune and Activity by Category」項目を転載
- 地域別では、ラテンアメリカ及びアフリカ(本社機能はイギリスが多い)を本拠とするスタートアップが存在感を出し始めている模様
- 北米では、以下のグラフで顕著に表れる通り、相変わらずカリフォルニアの投資額が突出‼
- 日本の投資額は世界主要各国中20位(US$88MN)。(1位米国($8.7BN)、2位中国($3.2)、3位インド($2.3BN))
出所:米Agfunder Newsより https://agfundernews.com/from-agfunder-with-love-global-agri-foodtech-funding-reaches-19-8bn-in-2019.html
一方、日本企業もこうした欧米の先端フードテック・アグリテックの技術ノウハウを自社の新規事業戦略~製品開発戦略に活かすべく積極的に取り込んでいく流れは今後徐々に加速化、顕在化していくものと思われます。昨年も、投資会社やCVCによる大型投資は既に散見されますが(ソフトバンクはベンチャーの域を過ぎたグロースフェーズの大型投資が目立つ)、特に、いわゆる大手国内食品ブランドやCVCにとどまらず、大手上場食品系事業会社から地方を含む独自領域で技術力を誇る日本の食品、生化学系の事業会社において、自社にうまく取り込んでいく機運が出てきそうな気がします。現に、日本の化学品老舗大手の株式会社クレハは、シリコンバレーでここ2,3年注目されていたBoost Biome社にこの程戦略的投資を実施した旨公表済み。ここ最近、生物学と工学とが融合して新たな人工的な研究開発が盛んな時代になっていますが(Synthetic bio)、一方、自然由来の微生物(Microbiome)の持つありのままの機能性や実用性に着目し、さらに深掘りしていこうという動きも同時並行的に進展しており、これらの動きを今後注目していきたいです。
そんなこんなで、ひとまずは速報でした。後日、個別セクターで注目している分野(=Biomaterials)にフォーカスを絞ってみたいと思います。
※注記:本記事の主要データは、米AgFunder社による公表レポートを転載、参照しております。
一方、日本企業もこうした欧米の先端フードテック・アグリテックの技術ノウハウを自社の新規事業戦略~製品開発戦略に活かすべく積極的に取り込んでいく流れは今後徐々に加速化、顕在化していくものと思われます。昨年も、投資会社やCVCによる大型投資は既に散見されますが(ソフトバンクはベンチャーの域を過ぎたグロースフェーズの大型投資が目立つ)、特に、いわゆる大手国内食品ブランドやCVCにとどまらず、大手上場食品系事業会社から地方を含む独自領域で技術力を誇る日本の食品、生化学系の事業会社において、自社にうまく取り込んでいく機運が出てきそうな気がします。現に、日本の化学品老舗大手の株式会社クレハは、シリコンバレーでここ2,3年注目されていたBoost Biome社にこの程戦略的投資を実施した旨公表済み。ここ最近、生物学と工学とが融合して新たな人工的な研究開発が盛んな時代になっていますが(Synthetic bio)、一方、自然由来の微生物(Microbiome)の持つありのままの機能性や実用性に着目し、さらに深掘りしていこうという動きも同時並行的に進展しており、これらの動きを今後注目していきたいです。
そんなこんなで、ひとまずは速報でした。後日、個別セクターで注目している分野(=Biomaterials)にフォーカスを絞ってみたいと思います。
※注記:本記事の主要データは、米AgFunder社による公表レポートを転載、参照しております。