とはいえ、日本から事業そのものがまだレアな段階で現地でブートキャンプ終了を経てからすぐさまシリコンバレーのベンチャーキャピタリストやスーパーエンジェルから資金を引っ張ってくるというのは、あまりにも楽天的すぎることは周知の事実です。恐らく5,6年前であれば、ある程度日本国内で事業が拡大をしてからでないと中々米国でスクラッチに近い状態から徐々に這い上がっていくということは至極困難を極めるものでした。
そこで、Wild Camp 2015ではどうするか?繰り返しますが、本キャンプは今後半年から1年間の時間軸を見据えた最初のステップであり、従って前述のとおり、キャンプそのものが目的ではありません。これから12か月間程度のロードマップの最初の関門ととらえて頂けるのではないかと思います。また、北米で次のステップを積んでいく上でやはり初期的な費用を見積もる必要性があります。その手段として、我々では、昨今生まれた「クラウドファンディング」という手段をうまく利用をすることに致しました。
本キャンプの後半から最終日にかけて、米国発のプロジェクトとして、ご参加をされる日本の起業家/スタートアップによるビジネス・プロジェクトのローンチをする予定です。ゴールは、本キャンプを経て北米でさらなる事業開発を目論むための初期的なファンディングが主な目的です。ここで、目標金額に見事に到達出来れば、それを利用して次の北米戦略に向けたアクションプランを組んでいくこととなります。
クラウドファンディングと一言でいっても、そのプロセスはビジネスの分野やプロジェクトそのものの特性によって進め方やコツは幅広く、一筋縄でプロセスは想定出来ないと思われます。さらに、昨今においてはクラウドファンディングの利用用途が限られている点も十分に考慮に入れておく必要はあります(※エクイティ型クラウドファンディングは未だ解禁されておらず、従って、贈与型/寄付型に限定される)。ただし、これを逆手にとらえようとするならば、米国発のクラウドファンディングを実施することで、米国でこれから事業化をしていこうというビジネス、テクノロジー、サービスに関する米国の反応を見られるという点で有効的なマーケットリサーチにもなり得ると考えられます。そうした中、まずは、概ね、3か月から6か月程度の期間を擁するものと考えれば、ひとまずは今秋が時間的な目途と言えそうです。この期間は、実務を進めて行きながら、クラウドファンディング・プロジェクトの進捗を随時能動的に鑑みていき(※尚、現在、某大手クラウドファンディング・ファームによるセッションを、本Wild Camp 2015の開催期間中に組み込む予定です。内容は、国境をまたいだクラウドファンディング・プロジェクトをいかに効率的に、かつ、戦略的に仕掛けることが出来るか、などといった内容となります。)、本キャンプ終了後~秋頃にわたって、米国並びに日本側でフォローをしていくことになります。その間、Wildcardとしてあらゆるフォローをするとともに、今回、お世話になる米国シリコンバレー側の有識者にも適宜相談できるような仕組みを構築して行くこととなります。さらには、事業分野・領域次第では今回のキャンプではご縁のないまたさらに新たな米国シリコンバレーの有識者(例: 事業会社の担当者レベルの人間や、ほかのVC、シリアルアントレプレナーなど、当該事業/プロジェクトに精通をする人物の割り当て)に協力を仰ぐ予定です。 こうした点こそ、恐らく“他にはないWildcard独自のプログラムの進め方”と言えるのではないかと考えます。
ゴールデンウィークと言えば、一般世間にとっては忙しい1年間における貴重な大型休暇となりますが、一方で、立ち位置が変われば、ビジネスチャンスであったりもします。中々2週間近くもの間、現場を離れ、お客様のフォローアップが停滞してしまうことはなるべく避けたいものですが、本キャンプが、それを上回る価値をもたらすものとなればと、Wildcardでは願っています。
-米国