アメリカのエンタープライズ領域でここ3,4年盛り上がる領域の一つとして、HR-Tech分野が挙げられます。周知の通り、Ed-Tech(教育産業に係る新たなDisruption を起こすサービスを可能とするようなテクノロジー並びにそのサービス)やFin-Tech(同金融分野)、Ag-Tech(同農業分野)のように、いわゆる「X-Tech」ビジネス領域の一角としてベンチャーキャピタルからの投資も集まる分野。日本国内でもさまざまな細分化された領域でスタートアップが出始めています。
過去10年間のアメリカでのHR-Tech領域へのベンチャー投資はき2014年を皮切りに一気に加速してきていることが、次のCBInsights社のグラフからもくっきり読み取れます。
過去10年間のアメリカでのHR-Tech領域へのベンチャー投資はき2014年を皮切りに一気に加速してきていることが、次のCBInsights社のグラフからもくっきり読み取れます。
#HRWinsによれば、2019年度の全世界の主要投資額の概算額はUS$5.33BN、凡そ238件に達した模様。 昨年第4四半期の北米HR-Tech領域への代表的な大型投資案件並びに各主要セグメント別投資額推移は以下の通り。ジョブボード(求人・求職サイト系)がダントツで大きい一方、給与系、福利厚生等がUS$500M(≒500億円)前後で推移しています。興味深いのは、大型投資案件のうち、日本のソフトバンクのVision Fundが目立つ点。また、この分野への投資で上位を占めるファンドの多くは、いわゆるシリコンバレーの老舗ベンチャーキャピタルファンドだけでなく、むしろ東海岸等に本拠地を置くバイアウトやマジョリティ投資(発行済み株式総数の過半数もしくはそれに準ずる株数を取得して経営権を掌握する投資)を幅広く手掛けるその他のプライベートエクイティファンドや機関投資家等が目立つ点です(Ex. T. Rowe Price、W Capital Partners、Fidelity等)。
上記の通り、ジョブボード系が金額的に他の領域を引き離して最も大きいものの、ここ数年はその他のセグメント領域にも幅広く投資が集まってきています。日本でも最近言われる「ピープル・アナリティクス」領域もその一つ。
こうした中、一番注目しておきたい領域が、ウェルネス・ウェルビーイング領域とラーニング領域です。次回はこれらの領域について触れたいと思います。
こうした中、一番注目しておきたい領域が、ウェルネス・ウェルビーイング領域とラーニング領域です。次回はこれらの領域について触れたいと思います。