www.sophieskitchen.com/ ”細胞培養””植物性代用”プロテインの開発トレンドはご承知の通りですが、話題性のみならず、商品化が既に果たされ始めている「牛肉」や次なる「豚肉」に続き、今年の後半から来年にかけての話題となりそうなのが、「魚」の代用プロテインでしょう。
一番最初に代替「魚」プロテインへの着目の動きが出始めたのは2011年頃ですが、当時はまだ今と比べれば代替プロテインへの世間の意識はそう高くありませんでした。まだソーシャル系の投資が話題を席巻しており、今のように地球環境や食環境、エコシステムへの体系的な話題性もまだない頃です。シリコンバレーや東海岸の一部のバイオ系の起業家や食品メーカー出身者、あるいは、食の将来に危惧をする起業家によって、こうした取り組みが徐々に増え始めて来ましたが、現地の感覚としては、概ね2014年頃からがはっきりとエンジェル資金が流れ始めた印象です。
そうした中、一昨年からは、当方もバイオマテリアル系のスタートアップの案件と深く関わり始めた結果、米シリコンバレーで今バイオ・サイエンス系のアクセレレータの大手の一角であるIndie Bio幹部との交流が増え、彼らの支援の元で開発を進めているシリコンバレーのフード・バイオ系のスタートアップの創業者の面々と面識が出来る機会が増え始めました。その中の1社がFinless Foods。Finless Foodsとは、昨年春頃に彼らの取り組みについて直接話を聞くきっかけに遭遇。その頃は彼らは、メディア露出が徐々に増えつつあり、巷の話題には上る存在とはなっているものの、まだIndie Bioの門下生として粛々と開発を進めている段階にあり、「①地球上の魚の需給がひっ迫して価格高騰が進んでしまうこと②いわゆる地球環境問題で海洋の汚染の進行と共に我々の食卓に来る魚が汚染塗れになる」という課題に正面から向き合うべく、「究極の魚プロテインを世に送り出す」ことを目指しながら、日々多忙の生活を極めていました。それから数カ月後の昨年6月、大手VCであるDraper Associatesをリード投資家として複数の投資家層から昨年夏3.5百万米ドルを成功裏に集め、それから急速に開発が進み始めていった模様。
彼らのような培養「肉」のは研究開発コストが嵩む事業モデルであるので、果たして市場化を果たせるまでうまく行くかは油断できないのが課題の一つとなりますが、今年から来年にかけて、彼らのブランドから「培養魚プロテイン」による商品がいよいよ市場に投入してくるのか、興味深く見守りたいです。
尚、Finless Foodsのように魚の「代替プロテイン」に取り組むスタートアップはその他も話題に上がっており、その中の一部をここで簡単にご紹介します。
Finless Foods:
創業:2017年
本社:エマリービル市
投資総額:3.5百万米ドル(≒3.7~8億円)
フェーズ:シード
主な投資家層:大手VC、サンフランシスコの主流バイオ系アクセレレータのIndie Bio等。
主な特色:独自培養技術による魚プロテインの研究開発。2018年時点でプロトタイプのテスト商品段階であり、今後正式商品化に向けて開発最終段階の模様。
ウェブサイト:https://www.finlessfoods.com/
New Wave Foods:
創業:2015年
本社:サンフランシスコ
投資総額:25万米ドル(≒3000万円)
フェーズ:シード
主な投資家層:地元インキュベーター、専門ブティック系VC等。
主な特色:主に海藻、大豆をはじめとする自然食材を活用した「植物性代替エビ」の開発製造。
ウェブサイト:https://www.newwavefoods.com/
Good Catch:
創業:2016年
本社:ニューヨーク
投資総額:8.7百万米ドル(≒9億円)
フェーズ:シリーズA(推定年間売上高:2百万米ドル(≒2.2~3億円))
主な投資家層:大手VC、シリコンバレーのエンジェル等。
主な特色:主な商品は「ツナ(=魚)」。主に6種類の植物性プロテインで構成され、レンズ豆、エンドウ豆、大豆等。2019年5月末現在、米国大手オーガニックフーズチェーン「Whole Foods」と契約を果たして店頭販売開始済み。また、オーガニック系食材のデリバレーサービスとして話題の一つ「Thrive Market」やオンライン食材スーパーの「Fresh Market」といった第三者のオンラインコマースを通じて販売中。
ウェブサイト:https://goodcatchfoods.com/
Wild Type:
創業:2016年
本社:サンフランシスコ
投資総額:3.5百万米ドル(≒3.7-8億円)
フェーズ:シード~Pre-A
主な投資家層:フード系VC、食関連事業会社等。
主な特色:最初のフォーカスは「サーモン(=魚)」。ラボ内でベースとなる動物性細胞を増殖させ、それらをベースに人工的に肉を培養する技術。同社の主張として、当該肉は”基本的に「肉」そのものであり、従って今流行りの「植物細胞を使った代用肉」とは似て非なるもの”であるとのこと。
ウェブサイト:https://www.thewildtype.com/
Sophie's Kitchen:
創業:2011年
本社:サンタローザ近郊
投資総額:1百万米ドル(≒1億円)
フェーズ:シード
主な投資家層:補助金、少額投資等。
主な特色:同社は2010年頃に創業、約2年間の基礎開発を経て2012年頃に「植物性エビ(Plant-based Shrimp)」を開発。創業者の愛息が魚アレルギーを発症したことから魚の代替プロテインを思いつくきっかけとなったとのこと。同社はエンドウ豆のタンパク質等を活用し、「魚のような食感」などを創出する手段としてコンニャクを活用。同社の製造工程に優位性。現在はさらに3,4種類のラインアップを増やして全国チェーン店等で販売中。
ウェブサイト:https://www.sophieskitchen.com/
一番最初に代替「魚」プロテインへの着目の動きが出始めたのは2011年頃ですが、当時はまだ今と比べれば代替プロテインへの世間の意識はそう高くありませんでした。まだソーシャル系の投資が話題を席巻しており、今のように地球環境や食環境、エコシステムへの体系的な話題性もまだない頃です。シリコンバレーや東海岸の一部のバイオ系の起業家や食品メーカー出身者、あるいは、食の将来に危惧をする起業家によって、こうした取り組みが徐々に増え始めて来ましたが、現地の感覚としては、概ね2014年頃からがはっきりとエンジェル資金が流れ始めた印象です。
そうした中、一昨年からは、当方もバイオマテリアル系のスタートアップの案件と深く関わり始めた結果、米シリコンバレーで今バイオ・サイエンス系のアクセレレータの大手の一角であるIndie Bio幹部との交流が増え、彼らの支援の元で開発を進めているシリコンバレーのフード・バイオ系のスタートアップの創業者の面々と面識が出来る機会が増え始めました。その中の1社がFinless Foods。Finless Foodsとは、昨年春頃に彼らの取り組みについて直接話を聞くきっかけに遭遇。その頃は彼らは、メディア露出が徐々に増えつつあり、巷の話題には上る存在とはなっているものの、まだIndie Bioの門下生として粛々と開発を進めている段階にあり、「①地球上の魚の需給がひっ迫して価格高騰が進んでしまうこと②いわゆる地球環境問題で海洋の汚染の進行と共に我々の食卓に来る魚が汚染塗れになる」という課題に正面から向き合うべく、「究極の魚プロテインを世に送り出す」ことを目指しながら、日々多忙の生活を極めていました。それから数カ月後の昨年6月、大手VCであるDraper Associatesをリード投資家として複数の投資家層から昨年夏3.5百万米ドルを成功裏に集め、それから急速に開発が進み始めていった模様。
彼らのような培養「肉」のは研究開発コストが嵩む事業モデルであるので、果たして市場化を果たせるまでうまく行くかは油断できないのが課題の一つとなりますが、今年から来年にかけて、彼らのブランドから「培養魚プロテイン」による商品がいよいよ市場に投入してくるのか、興味深く見守りたいです。
尚、Finless Foodsのように魚の「代替プロテイン」に取り組むスタートアップはその他も話題に上がっており、その中の一部をここで簡単にご紹介します。
Finless Foods:
創業:2017年
本社:エマリービル市
投資総額:3.5百万米ドル(≒3.7~8億円)
フェーズ:シード
主な投資家層:大手VC、サンフランシスコの主流バイオ系アクセレレータのIndie Bio等。
主な特色:独自培養技術による魚プロテインの研究開発。2018年時点でプロトタイプのテスト商品段階であり、今後正式商品化に向けて開発最終段階の模様。
ウェブサイト:https://www.finlessfoods.com/
New Wave Foods:
創業:2015年
本社:サンフランシスコ
投資総額:25万米ドル(≒3000万円)
フェーズ:シード
主な投資家層:地元インキュベーター、専門ブティック系VC等。
主な特色:主に海藻、大豆をはじめとする自然食材を活用した「植物性代替エビ」の開発製造。
ウェブサイト:https://www.newwavefoods.com/
Good Catch:
創業:2016年
本社:ニューヨーク
投資総額:8.7百万米ドル(≒9億円)
フェーズ:シリーズA(推定年間売上高:2百万米ドル(≒2.2~3億円))
主な投資家層:大手VC、シリコンバレーのエンジェル等。
主な特色:主な商品は「ツナ(=魚)」。主に6種類の植物性プロテインで構成され、レンズ豆、エンドウ豆、大豆等。2019年5月末現在、米国大手オーガニックフーズチェーン「Whole Foods」と契約を果たして店頭販売開始済み。また、オーガニック系食材のデリバレーサービスとして話題の一つ「Thrive Market」やオンライン食材スーパーの「Fresh Market」といった第三者のオンラインコマースを通じて販売中。
ウェブサイト:https://goodcatchfoods.com/
Wild Type:
創業:2016年
本社:サンフランシスコ
投資総額:3.5百万米ドル(≒3.7-8億円)
フェーズ:シード~Pre-A
主な投資家層:フード系VC、食関連事業会社等。
主な特色:最初のフォーカスは「サーモン(=魚)」。ラボ内でベースとなる動物性細胞を増殖させ、それらをベースに人工的に肉を培養する技術。同社の主張として、当該肉は”基本的に「肉」そのものであり、従って今流行りの「植物細胞を使った代用肉」とは似て非なるもの”であるとのこと。
ウェブサイト:https://www.thewildtype.com/
Sophie's Kitchen:
創業:2011年
本社:サンタローザ近郊
投資総額:1百万米ドル(≒1億円)
フェーズ:シード
主な投資家層:補助金、少額投資等。
主な特色:同社は2010年頃に創業、約2年間の基礎開発を経て2012年頃に「植物性エビ(Plant-based Shrimp)」を開発。創業者の愛息が魚アレルギーを発症したことから魚の代替プロテインを思いつくきっかけとなったとのこと。同社はエンドウ豆のタンパク質等を活用し、「魚のような食感」などを創出する手段としてコンニャクを活用。同社の製造工程に優位性。現在はさらに3,4種類のラインアップを増やして全国チェーン店等で販売中。
ウェブサイト:https://www.sophieskitchen.com/