(写真出典:米国サンフランシスコにて開催された大型カンファレンス会場にて筆者が撮影)
このところフード・バイオ分野をテーマとする投稿がしばらく続きましたが、久々に元々長年取り組む領域であるエンタープライズ領域について今回は簡単に触れたいと思います(※詳細/具体的な話は時間の都合上次回に廻します…)。
2019年はエンタープライズ・ソフトウェア領域の市況は力強く推移した1年となりました。世の中的にはAIやマシーンラーニングはバズって久しいですが、今尚業種横断的にエンドユーザーの痒い所に手を届かせようと多くの技術やサービスが開発され続けています(ロボティックスやモビリティ、ウェルネス/ヘルスケアから農業やフードトレーサビリティまで用途は実に多様)。ガートナー社によれば、2019年の全世界の主要企業間でのエンタープライズ・ソフトウェア領域への投資は前年比8.5%上昇をしてUS$453BNにも上った模様です。同様に、2020年と2021年には10.5%の成長を予測しています。
北米のIPO(新規株式公開)市場でも2019年は全体の中でも特にエンタープライズ・ソフトウェア分野は堅調なパフォーマンスを残しました。米国のIPO市場の調査会社である米Renaissance Capitalによれば、昨年9月時点で9社が上場を果たし(調達金額合計US$11.2BN)、上場後の株価は平均で54%株価が上昇しており(代表的な案件:Zoom=135%⇧、Cloudfare=30%⇧、Slack=1%⇩)、理想的な株価形成を果たしている模様です(IPO主幹事経験にある筆者としては、この数値はバブっていない、初値割れしていない、「理想的」な数字です)。当該セクターは、持続性の高いマネタイズモデルが今一つ読めないような他の新しいセクターやサービス(Ex. 利ザヤが薄いフードデリバリー系や、Uberと共にユニコーンの一角と騒がれつつも未だに利益が出ていない様子のLyft、等)と比べて、IPO市場では好まれる傾向が強いと思われます。良く言われることですが、やはり①B2Bモデルであり、B2Cと比べて売上の規模感が大きい点や②サブスクリプション・ビジネスモデルが主流であり、ある程度の売上の将来予測が見えやすい点といった安定成長感、手堅さが好まれる傾向が強い、といった点が考えられます。
また、ベンチャーキャピタル等によるエンタープライズ・ソフトウェア領域への投資も引き続き堅調に推移しています。米調査会社Statista社によれば、2019年の主要VC投資額でセクター別ランキングでソフトウェアは全体で4番目に多かった模様です(因みに①インターネット②ヘルスケア③通信/モバイル)。ほんの代表的な一例ですが、サンフランシスコ~シリコンバレーを中心としたスタートアップで最も投資を受けているエンタープレイズ領域のスタートアップは以下の通りです:
このところフード・バイオ分野をテーマとする投稿がしばらく続きましたが、久々に元々長年取り組む領域であるエンタープライズ領域について今回は簡単に触れたいと思います(※詳細/具体的な話は時間の都合上次回に廻します…)。
2019年はエンタープライズ・ソフトウェア領域の市況は力強く推移した1年となりました。世の中的にはAIやマシーンラーニングはバズって久しいですが、今尚業種横断的にエンドユーザーの痒い所に手を届かせようと多くの技術やサービスが開発され続けています(ロボティックスやモビリティ、ウェルネス/ヘルスケアから農業やフードトレーサビリティまで用途は実に多様)。ガートナー社によれば、2019年の全世界の主要企業間でのエンタープライズ・ソフトウェア領域への投資は前年比8.5%上昇をしてUS$453BNにも上った模様です。同様に、2020年と2021年には10.5%の成長を予測しています。
北米のIPO(新規株式公開)市場でも2019年は全体の中でも特にエンタープライズ・ソフトウェア分野は堅調なパフォーマンスを残しました。米国のIPO市場の調査会社である米Renaissance Capitalによれば、昨年9月時点で9社が上場を果たし(調達金額合計US$11.2BN)、上場後の株価は平均で54%株価が上昇しており(代表的な案件:Zoom=135%⇧、Cloudfare=30%⇧、Slack=1%⇩)、理想的な株価形成を果たしている模様です(IPO主幹事経験にある筆者としては、この数値はバブっていない、初値割れしていない、「理想的」な数字です)。当該セクターは、持続性の高いマネタイズモデルが今一つ読めないような他の新しいセクターやサービス(Ex. 利ザヤが薄いフードデリバリー系や、Uberと共にユニコーンの一角と騒がれつつも未だに利益が出ていない様子のLyft、等)と比べて、IPO市場では好まれる傾向が強いと思われます。良く言われることですが、やはり①B2Bモデルであり、B2Cと比べて売上の規模感が大きい点や②サブスクリプション・ビジネスモデルが主流であり、ある程度の売上の将来予測が見えやすい点といった安定成長感、手堅さが好まれる傾向が強い、といった点が考えられます。
また、ベンチャーキャピタル等によるエンタープライズ・ソフトウェア領域への投資も引き続き堅調に推移しています。米調査会社Statista社によれば、2019年の主要VC投資額でセクター別ランキングでソフトウェアは全体で4番目に多かった模様です(因みに①インターネット②ヘルスケア③通信/モバイル)。ほんの代表的な一例ですが、サンフランシスコ~シリコンバレーを中心としたスタートアップで最も投資を受けているエンタープレイズ領域のスタートアップは以下の通りです:
出典:米EqualOcean社 - https://equalocean.com/software/20200118-enterprise-services-in-san-francisco-top-20-startups
以下は、2017年から2019年にかけてSaaS領域で最も積極的に投資を手掛けている主要ベンチャーキャピタルやアクセレレータのリストです。AccelやAndreesen Horowitzは当該分野で兼ねてより積極的に投資をし、専門家も豊富に要するチームがいることで有名。その他、ここには掲載されていませんが、金額的にはそれほど大きくはないものの、我々がアメリカ国内でご縁を持つ老舗VCファンドの一つであるBlumberg Capitalも兼ねてより当該分野に粛々と投資と育成を施している模様です。また、意外にもこのリストには出ていませんが、Y Combinatorも地道にB2Bエンタープライズ領域のスタートアップに手を施して育成に取り組んでいる模様です。
以下は、2017年から2019年にかけてSaaS領域で最も積極的に投資を手掛けている主要ベンチャーキャピタルやアクセレレータのリストです。AccelやAndreesen Horowitzは当該分野で兼ねてより積極的に投資をし、専門家も豊富に要するチームがいることで有名。その他、ここには掲載されていませんが、金額的にはそれほど大きくはないものの、我々がアメリカ国内でご縁を持つ老舗VCファンドの一つであるBlumberg Capitalも兼ねてより当該分野に粛々と投資と育成を施している模様です。また、意外にもこのリストには出ていませんが、Y Combinatorも地道にB2Bエンタープライズ領域のスタートアップに手を施して育成に取り組んでいる模様です。
出典:米Growhlist社‐https://growthlist.co/blog/saas-vc
当該領域で2020年以降の注目されるテーマとして取り上げられるのは:
当該領域で2020年以降の注目されるテーマとして取り上げられるのは:
- AI/ML
- AR
- エッジコンピューティング:IoTや5Gがこれからますます隆盛していく中、膨大な情報を実用的かつ効率的にこなす上でエッジコンピューティングの役割がますます拡大していく模様。
- パーソナライズ化
- セキュリティ
- ブロックチェーン
- IoT
次回は、こうした北米を中心とするソフトウェア開発の動向の中でも、2020年以降、先に隆盛する北米市場からいよいよ日本国内でもこれから個別企業間での積極的な導入・応用が大いに期待される分野をピックアップして取り上げたいと思います。我々Wildcardとして2020年から本腰を入れて日米で取り組むテーマです。
出典:(*)https://www.statista.com/statistics/277506/venture-caputal-investment-in-the-united-states-by-sector/
出典:(*)https://www.statista.com/statistics/277506/venture-caputal-investment-in-the-united-states-by-sector/