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米シリコンバレー著名起業家とのトーク・セッション・シリーズ<Up Close>、渋谷コワーキング・スペース<Connecting the Dots> にて第一弾が無事開催

5/24/2015

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5月23日土曜日、渋谷のコワーキングスペース<Connecting the Dots>の6階イベントスペース会場にて、米国シリコンバレーで起業を成功させた著名起業家や、大手VC/エンジェル投資家を日本にお招きして日本の起業家・起業家予備軍、その他米国で事業を手掛けようとされる事業会社の方々や経営者/個人を主に対象としたトーク・セッション・シリーズ<Up Close>の第一弾を、多くの方々によるご協力のお蔭で無事開催致しました。今回は、第1回目とあって、比較的こじんまりとした形式で少人数の方々を対象としてスピーカーと近距離で直接お話をすることが出来る形式をとらせていただきました(告知もフェイスブックのみ)。

第1回目のゲストは、米ZipZapPlayの共同創業者のお二人である、Curt Bererton氏と、共同創業者であり、実生活では奥様でもある、Ebayの元エンジニアMathilde Pignol氏( http://gamesauce.org/news/2014/08/12/mathilde-pignol-has-learned-to-stay-nimble-casual-connect-video/ )の両氏をお招きし、起業までのいきさつから、経営難に陥った苦難の時期にいかに乗り切ったか、そして大手VCからどうやって資金を獲得できたか、瀕死寸前で空前の大ヒット作が生まれた背景と裏話、そして日本のアントレプレナーが本場でチャンスをつかむためのヒント等、米シリコンバレーでは珍しくないものの、日本においては未だ中々実現出来なさそうなことについて、あるいは中々日本で米起業家/VCから本音では聞けないようなことなど、赤裸々に語っていただくことが出来ました。

同氏は米カーネギーメロン大学でロボット工学の博士課程を修了してから当初はロボティクス分野をはじめとする領域でのUIの研究開発に取り組んでいましたが、時流の流れと共に、より三次元であったり、よりソーシャル性を増したゲームコンテンツ開発の世界の将来性と社会的な意義に感銘を受けて、2007年に米ZipZapPlayを共同で創業しました。パートナーのMathilde氏もUIを専門としており、もともと米Ebayのユーザーインターフェイスの開発チームの中心的なデザイン・エンジニアの一人として活躍をしていましたが(同氏の記事:http://women2.com/2011/05/13/zipzapplay-acquired-by-popcap-women-20-talks-to-social-gaming-startup-co-founder-mathilde-pignol/ )、新たな分野に活路を見出すことになります。

特に、筆者が興味を抱いたのは、2009年から2010年頃にかけて、同社がヒット作に恵まれずに苦境に陥らされていた頃の話。当時開発をしていたゲーム作品について、多くの身近なユーザーから“善良な”フィードバックを得ていた彼らであるが、実際にお金を支払ってまでそのゲームをする人はあまりにも少なかったとのこと。その時、いかに、「プロダクト・マーケティング」が重要で難しいことなのか、市場はどこで当該市場の究極的なプロダクト・フィットは何か・・・、学問や開発の世界で第一線を歩んできた両氏が初めて直面した「経営する」ということのむずかしさだったとか。また、その際にいかに乗り切ったかという話では、常日頃から動き回るうちに知り合った人物から、貴重なアドバイスをタイムリーに得られたということ。その人物とは、すぐあとに米Zingaに買収されるFarmvilleの中心的なメンバーであったが、彼から、「フェイスブックがこれから重要なプラットフォームとなる。君たちの開発環境との親和性も極めて高いと思う」というアドバイスを受けてからは、当時、Iphoneをはじめとするスマートフォンの台頭や、Zinga、フェイスブックによるソーシャルな世界の急速な広がりを始める時期であるのを察知して、フェイスブック・アプリに的を絞る形で戦略を変換。すると、次作「Baking Life」が大ヒット作となり、結局2011年には当時米Zingaのライバルであった米シアトルのPopCap社に売却を果たすこととなります( http://venturebeat.com/2011/04/29/countering-zynga-popcap-games-buy-social-gamer-maker-zipzapplay/ )(そのPopCap社は米大手ゲーム開発会社エレクトロニックアーツ社の子会社となり、CurtとMathildeはEAにて開発チームの中心として2013年まで活躍をします)。

Network Effectを読み取る重要性

両氏の見解としてほかに興味深かったのは、いわゆる「ネットワーク効果<“Network Effect”>」についてのコメント。例えば、ゲーム業界の場合、かつてはコンソールゲームの時代があり、すなわちスタンド・アローンでのゲームの世界観を生み出すことでその人気を勝ち取る競争が行われていたが、当時は日本のソニーや任天堂が世界を席巻していました。一方、昨今のゲームとは、「ソーシャル」なもの。ソーシャル・グラフで繋がる者同士の横繋がりという軸が存在します。「ソーシャル」なものは、前述の場合と比べて地域性、土着性というものが極めて重要な要素となるということ。我々が身近に感じるフェイスブックやグリー、ミクシィやその他のソーシャルネットワークがそうであるが、その国々特有のカルチャーや慣習、価値観といったものに左右されるから、それらをしっかりと正確に把握をすることが経営者には求められるということ。実は、日本の起業家や、事業会社が昨今米国で攻めあぐねている根本的な壁は、そこにあるのではないかという点。異国、異文化圏の人間との接触が限られる日本において、この点は、一見国際化を果たしているように錯覚してしまいがちな日本でも、未だマインド的な点でやはり発展途上と言って良いといえます。さらに、ソーシャル性の高いビジネスでは、一番最初にデファクトを掴みとることが大切であるということ。 すなわち、ネットワーク効果を読み取ることは、それに付随するサービスを展開するビジネスには極めて重要であること。

その他、最初のファンディングの際、まだ開発段階でモノが出来上がる前(=売上が全く立つ前)にもかかわらず、一部のエンジエルやアーリーステージの投資家が出資を決断してくれたエピソードでは、まず日本では実現し得ないような話。こういる個々のエピソードから、シリコンバレーと日本の起業エコシステムとの環境が表面上は追いつきつつあるように見えてもいかに中身が依然としてかけ離れたものであるか、つくづくと痛感させられます。ちなみに、出資者を獲得するまで、50社以上と対面をしたものの、当初はことごとく却下をされたとか。50社あってもその先にまだフロンティアがあるという点が、日本との層の厚さの違いが浮き彫りになります。

尚、このUp Closeシリーズですが、今後は、米国からシリアル・アントレプレナーやベンチャーキャピタリスト、エンジェル投資家や事業会社経営幹部の人物等の日本来日時に合わせて、Wildcardの米国内の独自のネットワークを駆使する形で適宜日本で開催を致したいと思います。昨今、日本でも米国の大物実業家が来日を果たす機会が増えておりますが、本企画では、比較的スモール・セッティングで、なかなか日本で会うことが出来ないような米シリコンバレーの起業家やキャピタリストとのコミュニケーションの場を設けられるよう、創意工夫をしながら、さらに面白いものに仕立て上げて行く所存ですので、今回ご参加を頂けた日本の皆様や、このブログをご覧になられた方々からはいろいろとご要望等をお聞かせいただければと思います。尚、本シリーズは、他の大掛かりなイベントとは一線を画し、あくまでスピーカーと対等に会話をするようなコンセプトを大切に致しますので、ただ米シリコンバレーや海外のスピーカーの話を聞きにくるというのではなく、直接会話をしに来るというマインドで是非とも今後お越し頂き、ご自身の事業に生かしていただきたいというのが企画側の本望です。筆者も米国で事業を手掛ける中で出来上がる貴重な縁を生かして行きたいと考えています。

-米国
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Testimonials II:起業家の決断~ Wild Tour 2014 参加を経て

5/4/2015

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本Testimonialsシリーズは、昨年2014年10月に米Wildcard Program主催による北米シリコンバレー・ “ガチ” VC/エンジェル向けピッチ・ロードショー企画<Wild Tour Kickoff 2014>にご参加をされた日本の起業家/スタートアップ経営者による経験談を掲載させていただくものです。

Picture
株式会社KEYNOTERS 代表取締役 
岩丸珠緒氏
私の究極の目標は、“一つでも多くこの世界にある垣根を取り除く”ことです。

文化・宗教・政治など、お互いの主義主張を認めた上でそれぞれを尊重し助け合う。それが理想的なグローバリゼーションだと考えていますが、日本ではいまだ様々な分野に垣根があり、それが障害となってグローバル化が進んでいないように思います。特に情報・教育の分野で深刻な遅れを感じます。それを解決するべく、これまでとは異なったアプローチによってその部分に改革を起こしたいと思い立ち、起業の準備を進めておりました。

「世界とつながろう」と言っている本人の心の中にももちろん垣根はあります。

私は帰国子女でも大学留学経験もないので、特に英語で論理的に説明をするというのは苦手中の苦手。しかし外国人と深い話をする、ビジネスをする、となったらまず身につけなければならないスキルです。私が今後仕事する上で非常に重要なポイントだと思いましたので、度胸試しも兼ねてこのWild Tour 2014に参加することを決意しました。

それまで英語でプレゼンテーションするということは経験が無い訳ではありませんでしたが、会社の一社員として担当業務を説明することと、アントレプレナーとして投資家たちへビジネスプランをプレゼンするのとではレベルが違いすぎます。また、シリコンバレー出発前の時点では私のビジネスプランはまだまだ青写真段階で、日本語でさえも文章としてきっちりまとめたものはありませんでした。

そんなゼロ状態から、熊谷さん、長坂さんはがっつり相談に乗ってくださり、プレゼン資料の作成をサポートいただきました。まずは全体のストーリー作りからプレゼンのドラフトを作成。コテコテの日本人英語がバイリンガルである熊谷さんの手によってエレガントな表現へと見事に修正され、それだけでもかなり元が取れた?と感じた瞬間でした。

そこからいよいよスライド作り。ストーリーに合わせた図柄、写真を考えるのですが、日本人とアメリカ人の感覚や捉え方の違いを考慮しながら作っていくのはとても勉強になりました。ツアー前はスライド作成と原稿を暗記するところまで準備すれば大丈夫と思っていましたが、やはり現実はそんなに甘くないということをその後身を以て体験することになります。

さすがは世界のシリコンバレー。どの投資家も、どの銀行家も、どの起業家も、ほとんど同じポイントを突いてきます。総じて日本人の説明は具体的な数字や事例が足りていないことが多く、客観的また直感的に判断を下すベンチャーキャピタリストにとっては、数十秒聞いただけで問題点が見えてしまうのだということをまざまざと見せつけられました。

次のプレゼンではなんとかもっと自分の思いを伝えられるようにと、毎晩ホテルに帰ってからプレゼンを修正。時差ボケや旅の疲れもある中辛い作業でしたが、このプロセスによって却って自分のビジネス内容をブラッシュアップさせることができたと思っています。

もう一つこのツアーでの大きな収穫は、「仲間」です。

参加者は私を含めて7名。全員それぞれビジネスプランは異なっているものの、プレゼンターとしては良きライバルでした。また同時に、異国の空の下、プレゼン成功という同じ目標に向かって一緒にがんばった仲間でもありました。同じ体験をした者にしか分からない感情や思い。

起業は孤独との戦いでもあります。この先別々の道を進むとしても、この経験を共有できたことは大きく、特別な信頼関係を構築することができたと考えています。

  このような結果を与えてくれたWild Tour 2014にはとても感謝しております。

本気で投資家にアピールしたいという人にも、起業前にまずはスタートアップのメッカであるシリコンバレーに行ってみたいという人にも、Wildcard Programが手掛ける企画はなんらかの気付きを与えてくれるものと思います。

※リンク: 
株式会社Keynotersホームページ: http://keynoters.co.jp/  
同社Facebook公式ページ: https://www.facebook.com/keynoters 
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