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米Mentorはこう見る~1~<米シリコンバレーWild Camp 2015>

2/26/2015

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(写真:Curt Bererton氏。写真は2011年ZipZapPlay社オフィス内にて撮影の模様。同社の米PopCapへの売却が発表された頃)
 今年のゴールデンウィークに米国のシリコンバレーで約12日間で開催を予定する、シリコンバレーの一流インキュベーターの代表者やExit実績のあるシリアルアントレプレナーと“一対一で北米事業化を本格的に準備をする”という短期集中型キャンプWild Camp 2015。今回、そのシリコンバレー側でメンターとしてその役割を務めて頂くこととなっているうちの一人が、売却実績のあるシリアルアントレプレナーであるCurt Bererton氏。Curtは、米ZingaやNGMoco(後者は日本のDeNAに買収をされたことで日本でもその名を良く知れらていると思われる)をはじめとするソーシャルゲームが勃興しつつあった2007年に、ZipZapPlayを設立します。その後米シリコンバレーで著名なベンチャーキャピタリストの一人であるDavid Blumbergが率いるBlumberg Capitalをはじめとするシリコンバレーの一流ベンチャーキャピタルファンドから出資を受けることに成功。その後は順調に事業を発展させたのちに2011年4月に米PopCap社(シアトル本社、2011年に米EAに買収される)に成功裏に事業売却によるエグジット(M&A Exit)を果たします(※関連記事: http://venturebeat.com/2011/04/29/countering-zynga-popcap-games-buy-social-gamer-maker-zipzapplay/)。

 もともと米名門カーネギーメロン大学でロボティックスの
PhDを取得した若き秀才ですが、元々は起業家魂が豊富であったようで、学問の世界で一生涯を終えてしまうのではなく、あくまで実業の世界でその能力を最大限に引き出していくことにエネルギーを注ぐ人生を選択した彼。ZipZapPlayはソーシャルゲームの開発を手掛ける比較的小規模でありながら極めて開発力の優れた優秀なスタートアップとしての評価とポジショニングに成功し(売却時も17名程度のスタッフ)、主にBaking LifeやHappy Acquarium等の作品を世に送り込んでいます。彼らが手掛ける作品については高い評価を得ることが多く、輝かしく順風満帆に見えるこうした中でも、一時は苦境に立たされる時期を味わいます。詳細は本稿では割愛するとして、事業モデルとターゲットユーザーが定まらず、結果として事業が拡大しない空回り状態が続いていた模様。いわゆる「いいものを作っているのになぜ売れない?なぜマネタイズできない??」の罠にはまることとなります。そうした中、まずは手堅くユーザーを取り込める見込みの高いものを堅実に作りこんで行きながらキャッシュを生み、そこで得たキャッシュを使って次に当初から思い描いていた画期的な作品に経営資源を集中させるという段階ステップを踏むことで事業がうまく回り始めたようで、その結果、前述のような展開に発展をしていくこととなります。

 起業家として酸いも甘いも経験してきた彼ですが、現在はPopCapを離れ、昨年後半に立ち上げた新たなスタートアップ(現在、“ステルスモード”)の立ち上げ期で多忙を極めています。ちょうど我々のWild Camp 2015の時期と重なるか否かのタイミングでその方向性が決まるそうです。 そんな彼が、日本をはじめとする「英語を母国語としない諸外国」から米シリコンバレーで起業をする(テックでなくても)人達に対して非常に参考となることを言っています。 彼がそんな見方について、トピックに取り纏めてみたのが以下です。これらは日本で起業をされ、事業を拡大されていく方々にも十分に参考となるものだと思います:

起業家が市場の求めるものを正しく把握することについて-

 “極めて単純な話だが、市場のフィットを探し当てることが出来るか否かに尽きる。具体的には、「売上」が立つか、あるいは最初のうちは売上計上まで至らなくても「ユーザー」が一人でもあるいは少しでもついてきてくれているか(単に一発で終わるのではなく、きちんとリピーターとして顧客として定着してくれるというレベル)。それがまずは市場を正しく理解しているかを見極める上での最初の一歩。そのために必要なのは、忍耐力が備わった情熱だと思う。自らが取り組むと決めた領域/分野でしばらくコミットをするという情熱と、あらゆるフィードバックに常に謙虚に耳を傾けていけるか、そしてそれらに呼応して行き、必要な改善をよちよち歩きでも続けて行くことが出来る忍耐力。一言では言えないが、j実はこれに関しては、例えばB2Bなのか、B2Cなのかによっても多少は違ってくるものだ。話し出せば長くなるので割愛するが、ポイントは情熱と忍耐力。”

シリコンバレーで成功裏に事業を手掛けるコツ-

 “未だにここシリコンバレーにだけあって世界のどの「第2のシリコンバレー」も持ち得ていないのは、VCと他の起業家とのネットワークの広がり方。これら二つが共に完全に揃っているのがここしかないように思える。特に後者については、自分と似たフィールドを営む他の起業家仲間を指しており、単なるネットワーキングというレベルの話ではない。自分が今必要とするビジネスを取る上で惜しみなくアドバイスやくれたり手を差し伸べてくれるような横の繋がりのことである。それらをいかに自分のものに出来るか、いかにそのコミュニティに自ら溶け込んで行けるか、それがカギだと思う。”

英語を母国語としない、諸外国から米シリコンバレーに来る起業家が現地の他の起業家/スタートアップと対等に競う上での心掛ける点-

 “まず、言葉の問題を抜きにして、一つには自らの情熱と自分自身の対象分野での経験についてわかりやすく相手に伝え切る能力が必要だ。もちろんそれとあわせて、良いアイディアと共に、なぜそれが注力するに値する分野であるのかをはっきりと伝えきれないといけない。ところが、それらに必要な最も的確な言葉の表現や言い回しを選ぶということは、英語圏の者ではないと確かに容易ではないと思う。そういうときにこそ、(前述のように)少しでも既に取り組んでいる製商品やサービスが見せられる状態であると非常に良い。さらに理想的なのは、ほんのちょっとだけでも良いからお客さんがついているという客観的な統計が取れていれば尚良い(数名だけでも、少なくともそれは「実績」「行動力」として貴重な意味合いと説得力をもつ)。幸か不幸か、最近言えることなのだが、今のVCの多くは、ある程度のモノやサービス(≒MVP<Minimum-Viable-Product>)が出来上がった状態のスタートアップしか相手にしてくれない。もちろん全てとは言い切れないが。例えプロトタイプ的なものに過ぎなくても、有言実行出来ていることを証明する必要がある。 そして、何よりも、そのプロトタイプが自社の言うとおりのビジョンとターゲット市場が必要とするものだということが説得出来る、さらに他社に比してもそれほど見劣りしない水準であること。これらを満たすことが出来れば、例え言葉の壁があろうともそれを乗り越えてしまうことが十分可能だ。

 とりわけ、VCという人たちは「どんなことがあろうとも足を止めない」ようなタイプの人を追い求める。そして、彼らは、その人との会話やその人の過去の経歴、そして立ち振る舞いでそれらを判断しようとするものだ。従って、彼らに対して敬意をもって接しなければならないとか、彼らが言うことに対して率直に疑念を持つことがいきないといった誤解は解くべきだ。彼らは、どんな批判に対しても謙虚に対応ができる能力にたけた人間を好むものだ。アメリカにはあまりなくてアジアにあるとてもすばらしい文化として相手を敬うというしきたりがあると思うが、彼らは必ずしもそれを求めていない。率直にいって、彼らはむしろなぜ彼らの前提条件が誤りであり、なぜ貴方のアイディアが課題解決方法となり得るのかと愚直に語りかけてもらう方がよっぽど痛快に思うだろう。その方が彼らは刺激になるし喜ぶものだ”

シリコンバレーでVCや外部投資家とどううまくやるか(デューデリ/タームシートの交渉等)―

 “信頼のおける弁護士を雇うこと。それと、なるべく多くのVCや潜在投資家とネゴをすること。決して最初のごくわずかなVC連中との旨い会話に乗ってしまって即決してしまわないことだ。 ”

-注: 上記は同氏との会話を通じて筆者が翻訳をしており、表現の一部について意訳等をしています。
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Testimonials I : 起業家の決断 ~ Wild Tour 2014 参加を経て

2/18/2015

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本Testimonialsシリーズは、昨年2014年10月に米Wildcard Program主催による北米シリコンバレー・ “ガチ” VC/エンジェル向けピッチ・ロードショー企画<Wild Tour Kickoff 2014>にご参加をされた日本の起業家/スタートアップ経営者による経験談を掲載させていただくものです。
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ハードウェア/モノづくり系スタートアップ
治郎丸氏

私は全世界の女性層をターゲットに、パートナー企業が開発をした画期的な新素材樹脂を使った、「従来よりも格段に軽く、しかも機能性に大きく優れ、さらに見た目もユニークな自転車パーツ」の開発製造~販売を北米全域で本格的に展開をしたいとの強い思いで、その最初のきっかけ、登竜門として北米シリコンバレーの一流ベンチャーキャピタリストやエンジエル、シリアルアントレプレナーに本格的 に事業ピッチをロードショー方式で実施するという今まで聞いたことのないコンセプトであったWild Tour 2014に参加する決心を致しました。特に、それまで日本国内の特定のインキュベーターやアクセレレータに所属をしていたり、主要なスタートアップピッチコンテストで優勝等をしていない日本のスタートアップが、このような機会に恵まれるというのはあまり耳にしたことがなかったので、とても新鮮であり、また大変衝撃的でした。でも、Wildcardの場合、参加する覚悟さえあれば、入り口は開いており、その後入念に準備を一緒に手伝ってくれるということでした。

私が本ツアーの参加を決めた理由は、ツアーの話が出始めた頃、今後の事業戦略を組み立てるべくアメリカや世界中の自転車事情を徹底的に調べあげたところ、自転車に対する意識が日本よりも海外の方がはるかに熱い事がわかったことと、過去に観光目的での海外旅行は2回ほどありましたが、大物投資家に自分の熱い気持ちをぶつけられるツアーがあると聞いた時、自分でも不思議なくらいワクワクしたからです。

今までの私であれば、このような話を頂いても自分に自信が持てずお断りしていましたが、「自分を変えたい、成長したい!・・・」、そんな抗しがたい強い気持ちが先だって、8月早々には参加を決意しました。でも私は英語が全く話せませんでした。しかもプレゼンテーションの内容も方法もゼロからのスタートでした。そのような私に、本ツアーを企画して取り纏めていただけたWildcard Programの熊谷さん、長坂さんが親身になって手伝ってくれました。具体的には、プレゼンテーションの内容は国内で長坂さんと徹底的に練り込み、アメリカにいらっしゃる熊谷さんとは出発直前までスカイプやメールで英文や見せ方などギリギリまで打ち合わせをさせてもらいました。

サンフランシスコに到着してからも内容のブラッシュアップやプレゼンテーションの練習など過密なスケジュールで忙しくなりましたが、ツアーで出会った他の起業家経営者仲間の方々からも常に励まされ、いろいろと勉強をさせてもらいました。そしてサンフランシスコにいる大物投資家達も素晴らしい方々ばかりでした。英語が流暢に話せない私のプレゼンテーションを、決して斜に構えた態度を取らず、真剣に聴いてもらい、実際の投資検討会議さながらの的確なアドバイスもしてくれました。

ただし失敗もありました。あまりに緊張しすぎて思うように話せず途中で諦めてしまい辞めてしました。その時の投資家さんからは厳しい一言を頂きましたが、これが「現実」、「リアル」、良くありがちな、ただの“シリコンバレー体験ツアー”では全くない証なんだと、改めてその時に実感しました。その時の悔しい思いは今で戒めとして記憶に焼き付けています。

今回の滞在では私の事業が投資の対象となり得るには、当初から国内で一通り想定をしていた以上に課題が多く、まだ先になるとのことでした。当初は、その後東海岸のニューヨークに事業の取っ掛かりをつける予定でしたが、予定を変更して一旦日本でプランを練り直すことに方向転換しました。尚、年が明けた現在は我々の事業戦略や事情も変わりましたが、世界を本気で目指すスタートアップとして、めげずに自らの目標に向かえるのもツアーで培ったマインドだと信じています。投資家の方々も、どんなに素晴らしいプランを聞かされても最終的に投資の決定をするのは本人の熱い気持ちだと話してくれました。また、そういう日本人と出くわすことも非常に少ないそうです。今度は投資家様や事業会社の方々から“いいね、是非投資したい/一緒に事業をしたい”って言ってもらえるプランができるように日々頑張っています。また、今回は時期尚早とのことで直接お会いすることはありませんでしたが、Wildcard Programの縁で現地でハードウェアに特化した某インキュベータとも将来的には道筋を立てていくことも話しました。日本に留まらずに本気でアメリカで現地のほかのベンチャーとガチで勝負を試みたい人にはこのWildcardは、スタートアップそれぞれに見合った道筋を考えていただけるので他にはないプログラムだと思います。

ツアーに参加して本当に良かった。また今度アメリカに行ってチャレンジしたいと考えています。そのプランは今も全く揺るぎません。
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シリコンバレー × オハイオ=やっぱり一味違うWildcard!

2/8/2015

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(写真提供: 米ESPN)
オハイオ州といえば、何を思い浮かべることが出来ますか?日本においては、ニューヨーク・マンハッタンやサンフランシスコ、ロサンジェルス、シカゴ等といったいわゆる日系企業の駐在員事務所が必ずありそうな大都市や、日本人大リーガーの所属する球団が本拠地とする都市ではない限り、あまり全米の都市名が知られていないと思います。クリーブランドは、プロバスケットボールのNBAで現役スタープレーヤーのレブロン・ジェームズ選手が今年復帰したクリーブランド・キャバリアーズの本拠地として、あるいは、長年ワールドチャンピオンの座から離れ、シカゴ・カブスと共に「優勝から呪われている」数少ない伝統的チームのクリーブランド・インディアンズの地元として知られている程度でしょうか。あるいは、ロック好きな人間にとっては「ロックンロール殿堂」がある場所として知られているかもしれません。

この、北米中西部に位置するクリーブランド市は、オハイオ州の主要都市のひとつですが、10年ほど前から、オハイオ州政府(State of Ohio)が中心となって、全米国内はもとより、日本を含めた海外からの起業家の承知に積極的な姿勢を見せることで知られています。余談ですが、筆者が所属する東京の株式会社リンクメディアの代表取締役社長であり、バイリンガル転職サイトで有名な「DaiJob.com」や2000年頃の第1次IT起業ブーム聡明期に日本の英語圏のビジネスパーソンに幅広く愛読された「J@pan,Inc.」誌の創刊者である、日本における外国人起業家として著名な存在であるテリー・ロイド氏は、日本におけるこのState of Ohioの玄関窓口として長年その役割を果たしてきています。

そんなクリーブランド市とWildcard Programは、過去に遡るプロジェクトを通じて、実は同市と非常に距離は近く、また今後そのようなご縁を大切にしながら、ビジネスの可能性を探っていきたいと考えます。<シリコンバレー×クリーブランド>・・・こんな妙な組み合わせはほかにはなかなか見当たらないのではないでしょうか?・・・

クリーブランド市は、シリコンバレーやNYC、ボストン、南部テキサス州オースティン市等と比べてやや地味な存在ではあるものの、Cleveland Clinicをはじめとする全米屈指の病院機関が位置することで、昨今シリコンバレーでも勢いが持続している<デジタルヘルス>分野ではこの地域は、ボストンやサンフランシスコ、ノースキャロライナなどと並び非常に重要な拠点の一つと言えると思います。あるいは、北米市場でビジネスをとらえる際に、どこを狙うのかによって必ずしも答えは一つとは限りませんが、総論としては、シリコンバレーやNYCといった、我々に情報が比較的得やすいごく一部の“震源地”的な大都市だけを見て近視眼的に米国経済を読み解こうとせず、クリーブランド市や同じくオハイオ州の主要都市で同州の州都でもあるコロンバス市などを代表するMiddle-Americaと呼ばれる、海岸沿いを除く同大陸の内陸地域の動向にもしっかりと目を向ければ、実はシリコンバレーだけ追っていると案外気付かなかったりするような、より大きな社会の潮流を読み解くヒントが得られる可能性を秘めていると思います。例えば、我々が良く知るPinterestの成功事例は良い例の一つといえます。同サービスは、中西部の中流階級層の女性層が同サービスを利用する火付け役となったとされています。詳細の分析はここでは割愛するとして、同社は、決して特別“Geeky”な、ガジェット好きな層がビジネス/ユーザー拡大に貢献したのではなく、ごく一般的な(この場合、前述のガジェット好きな層との対比として)女性層が日常生活の娯楽・趣味の延長線上に、このPinterestがうまくはまったことで、全米中にじわじわと広がっていき、そして現在の地位を確立したといわれています。そのほか、中西部には、最近また水面下で動きが出始めているAgri-business(農業系新ビジネス)なども、このあたりに震源地がありそうな予感がします。

シリコンバレーだけでなく、このような中西部の代表的な都市にも足を伸ばすWildcard Programは、北米を見据えた事業展開を試みる際、ほかのインキュベーターとは一味も二味も違う商流を開拓する基盤が整いつつあります。

-米国

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